ホンダ純正 XR80R 用カムシャフトです。
カムのプロファイルは、XR100モタード(CRF100F)に比べ高回転型となっているようです。登坂路での各ギヤの伸びを期待して交換することにしました。
カムシャフトを交換するために各部をバラしていきます。
まずサイドカバーとリヤキャリアを外し、シートを取り外します。タンクに取り付けられたシュラウドを分解し、燃料コックにつながっているフューエルホースを外します。そしてタンクを取り外せば準備OK。
2本のボルトを外し、シリンダヘッドカバーを取り外します。
フライホイールのTマークとクランクケースの合わせマークを合わせ、カムスプロケットのoマークが上にあることを確認します(写真のようにカムスプロケットボルトのシルバーが左、黒が右になるように)。写真のようにならない場合は、フライホイールを半時計方向に更に360°回します。この位置が基準となるので、無闇に動かさないよう注意します。
カムチェーンテンショナを調整して、カムチェーンを緩めた後、カムスプロケットボルトを外します。ボルトを緩めようとするとスプロケットが回るので難儀します。ボルトを外した後、スプロケットとカムチェーンが落ちないように、針金等で吊り上げておきます。
カムシャフトホルダナットを対角に徐々に緩めて外し、カムシャフトホルダを取り外します。
交換するカムシャフトが現れますので取り外します。
カムシャフトの比較。左がXR100モタード用、右がXR80R用。
シリンダヘッド及びカムシャフトホルダのジャーナル面の状態をチェックします。若干強い当たりがありましたが、下手に手を加えない方が良いと判断してそのまま組み立てます。
モリブデングリスとエンジンオイルを1:1の割合で混合したモリブデン溶液を作ります。使い古しのコンタクトレンズケースが重宝します。
カム山、ジャーナル面にモリブデン溶液を塗布します。カムシャフトの向きに注意してセットします。
カムシャフトホルダを組み立て、ナットを対角に少しずつ規定のトルクまで締め付けます。スプロケットを組み立て後、規定の値となるようバルブクリアランスを調整します。
シリンダヘッドにエンジンオイルを注入し、シリンダヘッドカバーを組み立てます。エンジンをかけ、異常がないことを確認し、暖機後カムチェーンのテンション調整をします。タンク、シート他を取り付けて完成です。
さて、交換した効果は?
最初に走った瞬間、中速のトルクが薄くなったことを感じます。慣らしのため、少しはおとなしく走りましたが(20km程)、途中で我慢できずにアクセル全開。さすがにスピードの乗りはいいようです。4速で引っ張ったあとの5速の伸びもいいですね。いつもの坂で5km以上は速くなったのが確認できました。
(注意:上記の内容は参考です。作業はサービスマニュアルを見ながら、個人の責任において実施してくださいね。)